清ら三線通信Ⅱ

　桜宮高校生徒の「指導死」（教員の理不尽な指導による生徒の
死亡をこう呼ぶ）を巡って、総選挙で失速した橋下さんが久しぶりに
「吠えて」おられる。曰く「体育科の入試中止」、「入試するなら
予算執行を停止する」「教員の人件費執行も停止」と。

　またぞろ教育を使って衆目の注視を期待する彼の「劇場型人格」の
なせるものだが、今回はさすがのマスコミも批判的だ。

　体罰は間違いで悪い、「暴行・障害」で起訴されてもおかしく
ないのは当然（これは警察・検察の仕事）だが、「入試の中止」や
「予算執行停止」は「政治家による教育への介入」そのものと
言わなければならない。市長という政治家の教育への「暴力」と
言ってよい。諺でいえば「何とかに刃物」である。

　「生徒に体罰を与えた教員」と「教育に対して暴力を振るう橋下さん」
は同根だと私は思う。

　付け加えておくと、彼は嘗て「クラブ指導で体罰は気合いを
入れる意味で悪くない」と趣旨の意見（体罰肯定）を表明していたが、
それを最近撤回したらしいが、その「説明責任」はどうなったの？
「教育は2万％強制だ」という発言もあったなあ。
　自分のこれまでの発言への政治的責任は取ったのかな？政治家の
発言は1人の市民の発言ではない。

　もう一つ指摘したい。前述の彼の発言は、彼の得意とする「極論」。
極論を展開して相手を脅し、譲歩を引き出すという彼得意の戦法だ。
「体育科教員全員の配置換え」が彼の最低獲得目標（落としどころ）
だろうと思う。教員諸氏！びびってはいけない。大人の過ちを生徒に
負わせるという彼の横暴には断固反対すればよい。