清ら三線通信Ⅱ

　Jリーグの試合でファンがバナナを振りかざして
選手を挑発した事件が起きた。サッカーには
あまり関心がない私だが、その事件についての
Jリーグの対応には正直、感心している。

　バナナを振りかざした少年には、反省文を書かせ
無期限の観戦禁止を申し渡した。更にチームにも
罰金などの処分が下されるとの報道もある。

　たかが、バナナで何をそんなに過剰反応する
んだ！という反応もあるらしいが、至極もっともな
対応だと思う。「人種差別は犯罪に等しい」という
世界レベルの常識をしっかりと踏まえた対応
だからだ。

　そこで、思う。近頃話題の「ヘイトスピーチ」に
ついてだ。民族差別を公言し、聞くに堪えない
差別用語を叫ぶ輩達は、このJリーグの対応から
すると、「国外退去処分」に匹敵すると思う。

　国連の場でも「ヘイトスピーチを取り締まれ」
と決議されても、「表現の自由」を「理由」にして
取り締まろうとしない日本政府は世界に恥を
さらしている。

　民族差別や人種差別をあおる「表現の自由」など
あり得ない。それは犯罪として処罰されるもの。

　その昔、ジャイアンツに所属した張本勲選手が
露骨な民族差別の言辞を浴びせた広島ファンに
対してフェンスを乗り越えんばかりに怒った姿が
忘れられない。