てぃーだブログ › 清ら三線通信Ⅱ › 唄三線 › 「つぃんだら節」考察 その3

2010年01月03日

「つぃんだら節」考察 その3

「つぃんだら節」とは?

「つぃんだら節」考察 その3

 「つぃんだら」とは、「かわいそう」「かわいい」を
意味する八重山方言。新安里屋ゆんたの囃子は後者で、
つぃんだら節は前者の意味となる。

 なぜかわいそうなのか?この歌の背景は、琉球王府が
八重山諸島の人々に課した人頭税の徴収のために行った
「島分かれ」「村分かれ」にあった。

 一つの島の住人をある境界で二分し片方を別の島に
強制移住させるわけだ。仲良しだった男女が別離される
ことも当然あっただろう。
(もちろん、この人頭税課税の背景には、薩摩藩が
琉球王国に対して行った過重な重課税があったことは前提)


 この島分かれで有名な悲劇(伝説)が八重山にはある。
有名な「野底マーぺーの話」だ。黒島にはマーぺーという
娘と恋仲のウダニという若者がいた。将来を誓い合う中
だったが、王府からの命令(「道切り」という村分け)で
マーぺーは石垣島の野底に強制移住させられた。

 当時の石垣島はマラリアが流行る危険な島だった。
ウダニを慕うマーぺーは故郷である黒島を一目見ようと
野底岳に登った。

 しかし、黒島は於茂登岳が邪魔してみることができない。
そんな悲しみに絶望したマーペーは、ウダニからもらった
貝の首飾りが飛び散り、みるみる冷たくなり、ついには
石になってしまった。

 野底岳は女性が頭巾を被って黒島の方を見ているように
見える。これを後の人々は「野底マーペー」とよんだ。

 ざっと、こんな話だ。家の本を探してみるとあった。
「石になったマーペー」(儀間比呂志・絵 谷真介・文)だ。
子どもが小さい頃に何度も読んであげた絵本だった。
もちろん、当時はこの悲劇を題材にした「つぃんだら節
という歌があることなど知らない私であった。

 <続く>


同じカテゴリー(唄三線)の記事

Posted by 鷹ぬ鳥 at 08:19│Comments(0)唄三線
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。