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2015年07月02日

私の三線遍歴 その9 最高賞3回目

9.3回目の最高賞チャレンジ

 コンクールでは自分の歌をCDに録音してくれる。
有料で買わなくてはならない。自分の歌を
聴くのはあまり好きではないが、客観化するため
には聴く必要がある。

 「白鳥小節」はテンポのゆったりとした曲だ。
CDを聴いていて師匠や姉妹弟子からも
指摘された。「テンポが一定でない。微妙だが
速くなったり遅くなったりしている」と。

 この年は、年明けからスマホにメトロノームを
入れて練習した。メトロノームを使ってみると
確かにズレが多くあることがわかった。

 もう一つCDから指摘されたことがある。
それは「ビブラート」だ。民謡ではビブラートは
禁止なのは知っていたが、私の歌では
高音でのばすところで必ずビブラートが
掛かるらしい。自分では全く気づかなかった
ところだった。

 だんだん、自分の課題がわかってきたぞ。

 「一定のテンポを刻む」「ビブラート厳禁」の
二つだ。

 それに加えて、私がこの年に改良したのは
竿を持ち、勘所を押さえる左手だ。本調子の五→七は
問題なくても三下げの五→七がスムーズに行かない
ことは前回に述べた。その原因は左手の親指と
人差し指の間で竿を深く握りすぎていたことだと
原因を分析した。

 師匠の左手を観察すると竿は浅く人差し指の
上にのせている。親指は三線の天の裏に
置いている。「何を今更!」と言われそうだが、
それまでのポジションは「おかしいかもしれないが
弾けるからまあいいや」的にこれまで放置していた
自分に気づいたのだ。撥の使い方と同じことだ。

 そこで、左手の改良に乗り出した。
「竿は浅く持つ、そのために親指は天の裏に
固定する」だ。

 そして2014年の3回目の挑戦だ。
課題曲は「白鳥小節」だった。私が抽選した
わけではないが、3回も白鳥とは!??

 それなりに改良を加えたので自信が
あったが、ここで最後の「落とし穴」があった。

 これまで、調弦を「二の二揚げ」で歌っていたのだが
九の音を完璧に出そうとして「一の二揚げ」に
変えたことだ。これが間違いだった。高音は出たが
情けは消えた!大声で張り上げた感じになったのだ。

 もう一つは、出番が最後のほうだったのだが、
最高賞のあとには「大賞」の審査があるので
観客が会場満杯で後ろには立ち見が3重にも
なっていたことだ。これは、全然想定して
おらず、番号を呼ばれて、客席を見た時に
血の気が引く自分を認識した。何をしたのか
全く覚えていない。最悪だ。応援に来てくれて
いた友人達は審査終了後に「上がりまくっているのが
わかった」とか「顔色がおかしかった」などと
私の変調を指摘した。

 案の定、これまた跳ね返された!

 三回目は、明らかな「自滅」だった。

 師匠に顔向けできないとショックだった。
 「三度目の正直」なんて消し飛んだ!
 
 <続く>


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Posted by 鷹ぬ鳥 at 08:10│Comments(0)唄三線
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