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2014年05月21日

福井地裁の原発差し止め判決の肝要部分

 福井地裁(樋口裁判長)が5/21に大飯原発の
運転差し止めの判断を示した。
すばらしい判決と思う。
 その中で私は一番感動したところは
つぎの部分だ。

9 被告のその余の主張について

 他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、
コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、
極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と
電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような
議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、
法的には許されないことであると
考えている。

 このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論
があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の
貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失と
いうべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろ
して生活していることが国富であり、これを取り戻す
ことができなくなることが国富の喪失であると
当裁判所は
考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に
資するもので環境面で優れている旨主張するが、
原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の
環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は
我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに
照らすと、環境問題を原子力発
電所の運転継続の根拠と
することは甚だしい筋違いである。




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