2011年03月26日
放射線被害
私の子ども達の主治医であった小児科医林Drを中心とした
医師団体からの「放射線被害」についてのメールを
紹介する。
●医療問題研究会からの見解と訴え 2011年3月24日現在
人災福島原子炉事故に対する考え方-医療問題研究会-
3月11日の関東東北大震災で福島第一発電所の原子炉群が
危機的状況に陥っている。情勢は流動的であるが、
健康被害という観点からの基本的視点を述べたい。
1. どのくらいの放射能が流出しているのか?
いわゆる核爆発は起こりにくい。もし起これば放射能量の
単位として広島型でさえ15x1021ベクレルという量が空中に。
原発内のウラン燃料ははるかに多い。チェルノブイリでは
核爆発はなく、推定放出放射能は1018ベクレル位と。
したがって核爆発が起これば100km、200kmといった範囲の
避難で追いつくはずがない。今回の放出量については3月19日
の朝日新聞報道によるとロシアからとの情報で、チェルノブイリの
5%くらいではないかとのこと(算定方法等は不明)。
医師団体からの「放射線被害」についてのメールを
紹介する。
●医療問題研究会からの見解と訴え 2011年3月24日現在
人災福島原子炉事故に対する考え方-医療問題研究会-
3月11日の関東東北大震災で福島第一発電所の原子炉群が
危機的状況に陥っている。情勢は流動的であるが、
健康被害という観点からの基本的視点を述べたい。
1. どのくらいの放射能が流出しているのか?
いわゆる核爆発は起こりにくい。もし起これば放射能量の
単位として広島型でさえ15x1021ベクレルという量が空中に。
原発内のウラン燃料ははるかに多い。チェルノブイリでは
核爆発はなく、推定放出放射能は1018ベクレル位と。
したがって核爆発が起これば100km、200kmといった範囲の
避難で追いつくはずがない。今回の放出量については3月19日
の朝日新聞報道によるとロシアからとの情報で、チェルノブイリの
5%くらいではないかとのこと(算定方法等は不明)。
2. どのくらい人体に影響するか?
ベクレルという単位は純物理量で、人の側からみると
同じベクレルでも放射線の種類や臓器などにより人体への
影響が異なるため、ベクレルの比例量であるが被ばく線量の
単位はシーベルトを使う。放射線被ばく症状は急性期障害と
晩期障害にわけ、急性期障害は被ばく線量に比例し、
胸部レントゲンでは0.05ミリシーベルト(1ミリシーベルトは
1シーベルトの1/1000)、CTではその100倍で、この程度の
被ばくでは急性期症状はでない。100-200ミリシーベルトを
越えるとめまいなどを訴える人がでる。1000ミリシーベルト
(=1シーベルト)を超えると死者が出始め、6シーベルトでは
全員死亡する。ちなみに広島では瞬間100シーベルトと推定。
福島原発では15日の爆発の際(核爆発ではない)
、原発敷地内で3月15日瞬間最大12ミリシーベルトを記録
(3月21日朝日)したとある。原発内で働く労働者の急性障害は
どうかについては現状をはかる上でも重要であるが、
情報は隠されている。地上定点の経時観測、情報の公開も重要である。
今のところ問題は晩期障害に対する影響である。
チェルノブイリでは3年後、30km離れた地表での測定で、
なお年間換算量で胸部CT2回分のセシウム137が検出されたと
される(高木仁三郎全集Ⅱ巻より)。晩期障害とはがん化、
老化のことであり、どれだけ少しの放射線でも影響する。
集団全体で1シーベルト被ばくすると、ゴフマンの推計では
3700人、国際放射線防護委員会(ICRP)の推計でも100人がん死が
増加するという。 外部被ばくについてはできるだけ遠くに
避難するしかない。放射性物質を体内に取り込んで起こる
被ばくを内部被ばくというが、被ばくの50%以上、高木氏に
よればチェルノブイリ被ばくの80-90%は内部被ばくだった
という。水、野菜、ミルクなどによるが、甲状腺に蓄積する
ヨウ素131による内部被ばくが最もこわい。
半減期は8日であるが、半減期が短いということは短時間に
多くの放射能が照射されるということである。
小児の甲状腺がんは10万に対 し0.1から2.2人と少ないはず
だが、チェルノブイリをかかえるベラルーシでは10年間、
10倍以上の小児甲状腺がんが発生した。また、小児白血病も
明らかに増加した。このように、晩期障害への恐れは
とどまるところがない。
3. 対策 放射線災害の原則はできるだけ遠くに避難することで
あるが、それができない場合、外出時の被覆、ヨード剤の服用、
ミルクや飲料水、野菜摂取への注意などが必要で、内部被ばくを
最小限にする試みをすべきである。情報があいまいな中、
事情が許せば感受性の強い思春期、乳幼児の小児、妊婦は
できる限り遠くに避難すべきである。政府は危険性についての
情報公開と退避希望者への早急なコミュニティー確保をすべきである。
4. そのほか 原発敷地内で作業に従事されている労働者、
消防隊員などの安全管理と健康情報の公開、後々のための
生物学的被ばく線量推定の調査なども政府に要求すべきである。
原発中止を求めることは言うまでもない。
ベクレルという単位は純物理量で、人の側からみると
同じベクレルでも放射線の種類や臓器などにより人体への
影響が異なるため、ベクレルの比例量であるが被ばく線量の
単位はシーベルトを使う。放射線被ばく症状は急性期障害と
晩期障害にわけ、急性期障害は被ばく線量に比例し、
胸部レントゲンでは0.05ミリシーベルト(1ミリシーベルトは
1シーベルトの1/1000)、CTではその100倍で、この程度の
被ばくでは急性期症状はでない。100-200ミリシーベルトを
越えるとめまいなどを訴える人がでる。1000ミリシーベルト
(=1シーベルト)を超えると死者が出始め、6シーベルトでは
全員死亡する。ちなみに広島では瞬間100シーベルトと推定。
福島原発では15日の爆発の際(核爆発ではない)
、原発敷地内で3月15日瞬間最大12ミリシーベルトを記録
(3月21日朝日)したとある。原発内で働く労働者の急性障害は
どうかについては現状をはかる上でも重要であるが、
情報は隠されている。地上定点の経時観測、情報の公開も重要である。
今のところ問題は晩期障害に対する影響である。
チェルノブイリでは3年後、30km離れた地表での測定で、
なお年間換算量で胸部CT2回分のセシウム137が検出されたと
される(高木仁三郎全集Ⅱ巻より)。晩期障害とはがん化、
老化のことであり、どれだけ少しの放射線でも影響する。
集団全体で1シーベルト被ばくすると、ゴフマンの推計では
3700人、国際放射線防護委員会(ICRP)の推計でも100人がん死が
増加するという。 外部被ばくについてはできるだけ遠くに
避難するしかない。放射性物質を体内に取り込んで起こる
被ばくを内部被ばくというが、被ばくの50%以上、高木氏に
よればチェルノブイリ被ばくの80-90%は内部被ばくだった
という。水、野菜、ミルクなどによるが、甲状腺に蓄積する
ヨウ素131による内部被ばくが最もこわい。
半減期は8日であるが、半減期が短いということは短時間に
多くの放射能が照射されるということである。
小児の甲状腺がんは10万に対 し0.1から2.2人と少ないはず
だが、チェルノブイリをかかえるベラルーシでは10年間、
10倍以上の小児甲状腺がんが発生した。また、小児白血病も
明らかに増加した。このように、晩期障害への恐れは
とどまるところがない。
3. 対策 放射線災害の原則はできるだけ遠くに避難することで
あるが、それができない場合、外出時の被覆、ヨード剤の服用、
ミルクや飲料水、野菜摂取への注意などが必要で、内部被ばくを
最小限にする試みをすべきである。情報があいまいな中、
事情が許せば感受性の強い思春期、乳幼児の小児、妊婦は
できる限り遠くに避難すべきである。政府は危険性についての
情報公開と退避希望者への早急なコミュニティー確保をすべきである。
4. そのほか 原発敷地内で作業に従事されている労働者、
消防隊員などの安全管理と健康情報の公開、後々のための
生物学的被ばく線量推定の調査なども政府に要求すべきである。
原発中止を求めることは言うまでもない。
Posted by 鷹ぬ鳥 at 19:32│Comments(0)
│東日本地震・津波・原発災害
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